─── 横隔膜は、吸う専門の器官なのですか?
塩澤 はい。息を吐くときは腹部で圧力をかけて、横隔膜が上がるサポートをしています。だから本当は「お腹で吐く練習(腹式呼吸)」をしないと、人はまともに息が吐けないのです。吸う息にくらべて、吐く息がどうしても浅くなります。
─── 「現代人は呼吸が浅い」と言われますが、それも関係していますか?
塩澤 もちろん関係しています。ですからヨーガで「お腹を意識して呼吸する」とか「吐く息を長くする」ことは、健康面でも役に立つのです。「赤ちゃんの息に帰る」と言いますか。
人間は、赤ちゃんのとき楽に息をしています。完全な腹式呼吸です。泣くことだってそうでしょう?お腹をちゃんと締めないと、あんなにギャーギャー泣けませんよ(笑)。赤ちゃんが泣くことは、「お腹で息を吐いている証し」でもあるのです。
── 赤ちゃんが泣きだしたときのパワーはすごいですよね。誰にも止められない(笑)。
塩澤 赤ちゃんは横になっているので、お腹を呼吸だけに使うことができますが、立つようになると、体を支えるなどほかのことにも使うようになります。呼吸だけにエネルギーを費やすことが、できなくなってくるのです。
── 大人になるにつれて、息がしづらくなってくる?
塩澤 そうなのです。ですからヨーガや瞑想で「お腹を開発する」ことは、「赤ちゃんの息に帰る」ことと言ってもよいでしょう。
書籍『いのちがひらく 原初のヨーガ」(塩澤賢一・著 新泉社) P142より抜粋。
